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不定形爆発 Ver.2.0

アニメとか漫画とか、まあ色々。与太話ブログ。プラモの話と写真はTwitterに移転しました。

『偽物語』 第11話「つきひフェニックス 其ノ肆」 ― 君のためなら死ねる。

家族なら それでいいじゃん ホトトギス(うまくない)


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えー、織田信成くんの一句を改変して見たわけですが、うん。
うまくないなコレ。
繰り返すようですが。
うまくない。
大変お見苦しいものを書きました。

そんなこんなで『偽物語』最終回。
「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」陣営の陰陽師連とのバトルでございます。


前半。
時間の重みを確認するパートでしたね。

生まれた時からずーっと妹で。
一年一日、一分一秒、一刻、刹那たりとも妹でなかったときなんかなくって。
家族だった。
重ねてきた年月、過ごした月日。
そこに嘘偽りは一片だってありはしない。
本物だ。

不死身の怪鳥。
人外のモノ。
化物。
偽物。
そう、自身の認識を矯正して、強制できるか? 

できるか!


正直、暦くんの陰陽師に対する意地の軸って、単純極まりないのですけど、単純極まりないからこそわかりやすくって、納得できるように思います。

言葉で言えない 胸の暖かさ
遠まわりをしてた 人生だけど
君だけが いまでは
愛のすべて 時の歩み
いつも そばで わかち合える


長い年月を 歩き疲れたら
微笑なげかけて 手をさしのべて
いたわり合えたら
愛の深さ 時の重さ
何も言わず わかり合える
                 (坂本九『心の瞳』より抜粋)



いいじゃないですか、積み重ねてきた時間は本物って。
妹にキスしてもドキドキしない、いいじゃん、それで。
今までずっと一緒だったんだから。
君のためなら死ねる。

あれですよ、「あれ?この爪切りなんだか切りにくいなー、刃が鈍ったかなー」と思ってたらラジオペンチで爪切ってたのを指摘されて、でも今までラジオペンチで切れてたしってことで、ラジオペンチで爪を切り続ける、みたいな感じ!(違う気がする)

第一さ、なじんできたモノが偽物だからって、ポイって捨てますかって話ですよ。
なじんで思い入れのあるモノは、大事に傍に残しておくもんでしょ。


後半。
余弦&余接との主人公が原形をとどめないバトル。
6416a227.jpg
ヘルメットがなければ即死だった赤い人よろしく、吸血鬼度をあげていなければ即死だった・・・。


自分の理想を他人に押し付けるのは、悪。
「かれんビー」の時も書きましたが、普通に考えたら悪ですよねェ。

例を挙げたら、そうですね、ジョジョ6部のプッチ神父でしょうか。
あの人、それまでのボスキャラとは違って、一応神父らしく「人類の幸福」のために動いているんですが、厄介なのはその「幸福」が神父自身の考える幸福であるだけで、他人にとってはそうとは限らない点。
それを全人類に強制しようとするのだから、たまったもんではありません。
劇中「お前は自分が悪だと気付いていない、最もドス黒い悪だ・・・」とか言われています。

暦くんはこの悪に対して、言い放ちました。
「家族には理想を押し付けるよ」と。

なるほどな、と。
家族だって、突き詰めたら他人だろ、とそう言われてしまえばそこまでなのですが、どこか心のどこかに「ああ・・・」とすとんと落ち着く部分があったのも確かです。
父親が息子を叱るのも。
母親が娘に小言を言うのも。
理想の押しつけです。
よくある言い回し、「あなたのためを思って」ってやつ。
あなたのためを思うなら、嘘もつくし、騙しもする。

君のためなら死ねる。

血は水よりも濃い、といいます。
不思議なものです。家族だって言ってみても他人なのに、そういう善意を受け入れる余地が、どこかにある。
別に門戸開放宣言したわけでもないのにね。
人が生まれながらにして悪、そりゃそうです。
人の為す善は全て偽善、その通りでしょう。
でも、家族のためなら。
しない善よりする偽善。
貝木曰く、偽物には本物であろうとする意志がある分、本物よりも尊い。
あなたのためを思うなら。
それを容れる心を、どこかしらに持っている。

君のためなら死ねる。



というわけで、『偽物語』はおしまい。
ホントに尺足りんのかよ!?と思ってましたが、ちゃあんと収まりましたね。
惜しむらくは、ドロドロにデレたガハラさんを見られなかったことくらいですかね。
続編がアニメ化されるなら、見る機会もありましょうが。
そういえば、感想を全話書き切ったのって、これが初めてじゃなかろうか、自分。

そんなこんなで。



      
青春は、ほんものになるための戦いだ。


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  1. 2012/03/18(日) 01:52:11|
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『偽物語』 第10話「つきひフェニックス 其ノ參」 ― 思考回路はショート寸前。

偽物の妹・・・!?義妹ってことか!(違う)


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先週、ポニーテールがぁあああああああとか言ってたのがバカらしくなってくるほどのバイオレンス&アクションな展開に、私の思考回路はショート寸前、今すぐ会いたいよ(美少女戦士風に)。


とはいえ前半はややほのぼのした雰囲気。
100円セール中のミスタードーナツに行きたいと所望する忍。夏の厳しい日差しも「帽子をかぶれば何とかなる」と言っている時点でかなりすごいと思うのですが、日光を気にする必要もなかったアーカードの旦那とか、一体どれだけすごい吸血鬼なんでしょうかね。海も渡れちゃうもんなぁ、あの人。

それはともかく、前半の見どころと言ったら、やっぱり
1298959622.jpg
悪代官よろしく帯を引っ張って、月火ちゃんの浴衣を脱がす一連のシーンですよね!
胸についていた一生消えないと言われていた傷がなくなっている・・・傷なんか治るに決まってるじゃん、人間だもん!と混乱・興奮気味の月火ちゃん、実の兄にキズモノにされそうな体勢で憤慨。
しかしこの体勢・・・脱がした後、手をわざわざ帯で縛ってあるあたり、マニアックな層に受けそうです。薄い本が厚くなるな・・・買ったことないけど。


んでもって後半。
貝木から余弦と余接の情報を仕入れた帰り、結構余裕がある態度っぽい暦くんを見て、先週書いたように

余弦みたいに絶対に地面を歩かなかったり、余接ちゃんみたいにみょうちきりんな格好(NHK教育の番組っぽいよね、あの服)していると、普通「何だコイツ・・・」って身構えると思うのですが、暦くんは至って自然体でした。火憐ちゃんも「身構えた」って言ってたのに。
(中略)
非日常に慣れすぎてるんじゃない?


ってな感じで実に不安です。
別にあの二人を楽観視しているわけでもないのですが、「自分が目当てなら大丈夫」みたいな、そんな不安。
他人のためなら死ぬ気で動くけど、自分のことになると認識に甘さが出ているような。
それは強さと言うより、危うさで。
脆さで。
弱さではないのか?
正義の第一条件は強いこと。
周囲から「正義マン」呼ばわりされている暦くんですが、彼自身は自分のことを「正義だ」とか考えていないので、こういう部分があるのでしょうか。

結局2人の目的は月火ちゃんだったわけで、認識の甘さから、思考の切り替えがうまくいかない暦くん。
思考回路はショート寸前。
余接の「例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)」で上半身を欠片も残さず吹っ飛ばされた(ちょーマニアックな層にウケそう)月火ちゃんを見て、ついに思考がショート。

忍のハッタリで時間は稼いだけれど・・・ってなところで今週はおしまい。


さて、月火ちゃんは余接曰く、火の鳥、不死鳥の怪異らしいですね。
不死鳥って言うと、いかにも格が高くて、威厳があって、強そうなイメージがありますが、実際はそうでもないんですよね。
不死鳥は老いるとその体を火中に投げ打って、新たな体を得て若鳥として再生する。
その涙には治癒効果があり、また血を飲んだものは不老不死を得るという。
終わり。
何コレ全然強くない!
死なないだけです(死なないって時点でかなりすごいんだけども)。言ってみれば、攻撃力も防御力も紙みたいなもんなのに、体力だけパラメータ∞みたいな感じです。
っていうかこれ、自然界で言ったら完全に捕食される側だよ。あり余る耐久でどうやって逃げるかって生き物ですよね。
そういう意味で言えば、手塚治虫の『火の鳥』だって、よくよく考えれば、いつも誰かに追われる側だったよなぁ。
戦闘能力ゼロ。
そう考えると、初代ポケモンでファイヤーがアホみたいに弱かったのも、うなずける話です。
にらみつける!


偽物の妹。
不老不死の怪鳥。
人間じゃない。
家族じゃない。
妹なんかじゃ、ない。

そうやって、自身の認識を矯正して、強制できるか?
それで陰陽師の「正義」と張り合える「意地」になるのか?


暦くんには、思考回路がショートする前に、認識を整理して、話の決着をつけてほしいな。
ハートが万華鏡じゃ、困るもんな。








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  1. 2012/03/11(日) 01:59:47|
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『偽物語』 第9話「つきひフェニックス 其ノ貮」 ― さよなら僕らのポニーテール。

ポッ、ポポポッ、ポッ、ポニーッ!!!


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肩車しただけでAパートが終了するという驚異の進行具合の『偽物語』第9話。
こんなに物語の尺の心配をしたのは、『鉄のラインバレル』以来かもしれない。


Aパートについて。

じゃんけん必勝法の話が出てましたね。
本編での必勝法は後出しすることを強いられているんだ!(集中線)といわんばかりのものでしたが(実際そうなんだけど)、現実世界でこれやったらどうなるんでしょうね。少なくとも男がやったら処刑モノのような気がします。
必勝法。
そういえば、じゃんけんをする前に、腕を交差させて両手を合わせてひっくり返して、手の中を覗くやつ、
ude.jpg
これってどういう意味があるんですかね?
小学校の頃からみんなやってるから真似してきたんですけど、よくよく考えると覗いた時の影の形の意味とか聞いてこなかったんで、この年になるまでこの技にどういう意味があるのかよくわかんないんですよね。恥ずかしい。

しかし、この技ってあれですよね?言ってみれば「ええい、ままよ!」的な意味合いが強いんじゃなんでしょうか。天の神様の言うとおり、みたいな。
判断を自己じゃなくて、手の形という偶発的な偶然の産物に委ねることによって、負けた時の悔しい気持ちを軽減しているんじゃないでしょうか。
自分で何を出すか選ぶと、負けた時の

   _人
 ( 0w0) ウゾダ…


  Π l7l7  _Π_  / //
  .| .\    |_,―‐,. | 〔/ /
  .|_|\|      ,ノ ノ    /
         _ . ̄ l7l7 /  ,ィ .::::::::::::::::::::/ミ / / |__| 〈 ヽ | |
  l二 ̄|   ヽゝ /'7  7_//:::::::::;;;;;;;;;;;;/ ヽ/__/ノ .|  ヽ 7 レ
  .┌┘ |     ∠ノ    /:::::::;;;;;;;;;;/lニ\ /   |  // l
    ̄ ̄       _ l7l7 /::::::;;;;;;;;;;l二].__ \\  |  //.__ |
   Π l7l7   /,二, /   /::;;lヽ、;;;;;l/    ̄ \ヽ ヘ//;;;ヽ
   | .\    ./, 二 /   {;;;;| ノ;;;/ ,,.:::::::::::,,....ヽ,◎./;;;;;;;;;;;l
   |_|\|   .~ /_/     ̄フ.|;;;ヽ:::::::::::::::::::::::::ノ''ー'|;;;;;;;;:;;;l
                 />;;;;;\:::::::::::::::/"ー"ヽ、;;;;;ノ
   Π     Π l7l7   >;;;;;;;;;;;;;;;;ノ ̄ノフ"` \/ ヽ l7
   l |     | .\    \;;;;;;;;;;/ //ト l\|ヽ/i |/ノ
   |_l     |_|\|   トー-┬\ \  | \/ヽ_///
               | ̄''=/ニヽ\ \l____ ノヽ、//
  l二l ,-,  l二l ,-,   i    .゙'-」|,, "─,,___/
    ∠ノ    ∠ノ   {
. n. n. n        l
  |!  |!  |!        l
  o  o  o      ,へ l

って気持が半端じゃないですもんね。
でもよく考えてみてください。
運を天に任せ、自分の力、判断を信じないで、後は野となれ山となれ・・・。少年漫画だったら敗北フラグもはなはだしいですよ。
こんな時くらい、自分を信じてみようぜ!グッ


個人的に今回一番ショックだった
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ポニーテール切断(画像はイメージです)
一番好きな髪型がポニーテールで、実の妹にさりげなくポニーテールを薦める(キモイ)ほどの私にとって、これは非常にオソロシイ展開でした。
最近上条「…………ポニーテールっていいよなぁ」ってSSを読んで、「この作者はようわかってる」とかしたり顔で頷きながら、至福の時を味わっていた私に・・・なんという仕打ちだよ・・・。しかもEDの絵もポニテから短髪になってるし・・・。何この力の入れよう。
個人的な主張として、どんな結い方でもいい、髪の毛をくくるだけで女の子の戦闘力は3倍になるので、早いとこ火憐ちゃんには髪を伸ばしてほしいものです。ワカメ食えワカメ。

でも、ショートカットも・・・嫌いじゃないぜ?(何だコイツ)


Bパートについて。

影縫余弦と斧乃木余接の2人が初登場。
ぶっちゃけ超うさん臭いです。
原作読んだときはそうでもなかったのに、映像になったとたんにうさん臭さ100倍増し。
貝木とは真逆ですね。

余弦みたいに絶対に地面を歩かなかったり、余接ちゃんみたいにみょうちきりんな格好(NHK教育の番組っぽいよね、あの服)していると、普通「何だコイツ・・・」って身構えると思うのですが、暦くんは至って自然体でした。火憐ちゃんも「身構えた」って言ってたのに。
怪異。
非日常。
非日常に慣れすぎてるんじゃない?
まぁ影の中から幼女が飛び出してくるような、ハクション大魔王もびっくりな世界(フィクション)に生きてる彼に、慣れるなとは言えないか。
でも、あまり慣れすぎると、失った時の反動も大きいんじゃないかな、って。
いつもしていたスポーツをやめた時のように。
手になじんだ道具を失くした時のように。

常に傍らにあった認識を、別の形に変化させる。
認識を矯正して、強制して、共生する。
これがなかなか難しいんだぜ、暦くん。


あー、あとは暦くんがジョジョ立ちしていたのと、八九寺が可愛かったことしか覚えてません。

余接ちゃんという忍に続くロリ枠が登場したので、暫定チャンピオンの八九寺にはこれからも頑張ってペロペロされてほしいですね!
僕はキメ顔でそう言った。(なんだこの〆)





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  1. 2012/03/04(日) 01:50:02|
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『偽物語』 第8話「つきひフェニックス 其ノ壹」 ― 円、という図形。

♪しあげはおかあ~さ~ん♪


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え~、一体どれだけの人がこの歌を覚えているんでしょうかね。
『おかあさんといっしょ』を見ていた善良な市民の皆様な存じ上げているかと存じます(変な日本語だ)。
今になって考えると、クチュクチュとかグリグリとか、この歌すっげぇ卑猥ですね!(中学生レベルの発想)

まぁそんな具合に、見事に火憐ちゃんとの歯磨きシーンが全てを持っていきましたね。
あまりのエロ可愛いボイスに、思わず地上波かどうか確かめましたもん。俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
胸の方も、いい感じの丸みでしたよね!(最低)


丸みと言えば、ひとつ気になったのは、暦くんの部屋に配された「丸」の多さ。

暦くんが英語の学習で書いていた単語は「circle」。
時計。
照明。
ブランコ。
他にも、照明周りの円状に配置された月の満ち欠けの図、飛行船模型の胴回りの梁とか。枚挙に暇がありません。

家具だけでなく、演出面でも、窓から差し込む光が暦くんを照らした時には光輪が出ていましたし、時計をやたらと写したり。


丸。
円。
○。
閉じた図形。
完全無欠。

ウロボロスをイメージすればわかりやすいと思いますが、円の意匠は「永遠」とか「不滅」とか「死と再生」とか、そういったものとは切り離せない関係にあると思います。
例えば、普通、輪廻転生をイメージしてって言われたら、ぐるぐると廻る円をイメージしませんか?「無限ループ」って言われたら、ぐるぐると廻る円をイメージしませんか?

時計の針はぐるぐると回り、周回して元の位置に戻ってくる。
月は地球の周りをぐるぐると回り、満ち欠けして完全な円へと戻る。
ぐるぐるぐるぐる。
永遠に、延々と、遠々と。
円々と。

永久不変のイメージ。
この物語においては ―「つきひフェニックス」の根本に関わるネタバレを避けて言うなら― 阿良々木暦と忍野忍という吸血鬼。
永遠に生きるとまでは言いませんが、そういうイメージが付与されていると言ってもいいでしょう。
その吸血鬼であるところの暦くんの部屋に無数に円の意匠が配されていることも、不自然ではありません。

永遠に生きる、存在する。
不老不死。
この世の全てのものはいつか消えてなくなるとする諸行無常を真とするなら、「永遠」「不老不死」などというのはは明らかに嘘っぱちです。
フィクションです。
偽物です。

この『偽物語』で永遠性について話をつけてくれるとまでは思いませんが、フィクションならではの課題であるこれに、『物語』シリーズでいつか決着をつけてくれるものと信じています。



あ、月火ちゃん(火憐ちゃんもだけど)が髪留めに使っている目玉焼きの意匠。
あれも円と言えなくはないよね?







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  1. 2012/02/26(日) 01:54:59|
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『偽物語』 第7話「かれんビー 其ノ漆」 ― 正義って線なのかな。

でも、この物語は劇的だよね。


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火憐ちゃんが習っているのは、空手じゃなくて北斗神拳の間違いじゃないのかな、ってな感じで「かれんビー」完結。


前半は家を抜け出した火憐ちゃんの捜索&バトル。
こんな強い妹は妹じゃない!とは私の持論。俺の妹がこんなに強いはずがない。
ダイナミックアクションで空手の強さをアピールする火憐ちゃん。暦くんにも対抗して
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二指真空把くらいはマスターしてほしいところですね。

ま、アクションはともかくとして。
正義の第一条件は強いこと。
じゃあ、強ければ正義なのか?
否。
であれば、どんな欲も、業も、悪も、正当化され得る。
じゃあ、強さ以外に何が必要なのか?
善意。
善意とは何か?
善かれと思う人の意志だ。
自分の意志だ。
自己意識だ。
世のため人のため、他人のために事を成す意識だ。
誰に頼まれたわけでもなく。
自分の意志で。
自己満足だ。
そういう自覚。

自覚のない善意は、自己の意志の押し売りに過ぎません。他人の意志を無視し、捻じ曲げ、改変する。
とどのつまり、悪。
正義というのは実にあやふやなもので、月並なことを言うようですが、個々人の内部でどんな形をとっているのかまるで観測できません。
ただ、誰の目からもよくわからないというだけで、自分の中に何かそれらしい、一本の線、ここから先はいけないことだという境界線を誰もが持っていると思います。
この線は、他人と大部分は同じですが、往々にしてずれが生じるものです。
この線に応じて行動すること、それ自体にはなんの問題もないでしょう。
しかし、その行動はあくまでも「自分が納得がいかない」からやっていることであって、けして「他人のため」ではありはしない。
そういう意識はあっても、それは自己の不満足をいいように飾り立てる言葉でしかないんでしょう。
納得がいかないから、自己の意志を、線を、押し付ける。
それが善意。
その自覚を失ったとき、人は最もたちの悪い、自覚のない悪となるのではないでしょうかね。
自覚のない悪、偽物の正義。
ファイヤーシスターズの活動も、自覚があれば、よりよいものとなっていくのかもしれませんね。正義っぽいことをしているという自覚を持てば。
そういえば、八九寺との会話で、自分が大人って自覚のない大人ほどたちの悪いものもないとかってありましたけど、ここにつながっていたのかな。


誇り高い偽物だ、と暦くんは貝木を評していましたね。
自覚のある偽物。自分が偽物であると自覚している、劣等感と向き合っている詐欺師。
一流だとかそんなものでもない、ただの冴えないオッサン。
自分がそういうものに過ぎないことを知っている。
凡人にすぎない自分。平々凡々な自己に、劇的なことなどあるはずもない。そう考えている。
だからこそ強かで、抜け目のない部分もあるのでしょうね。
(しかし、貝木との会話はどれが嘘でどれが本当のことなんだか、クレタ人のパラドックスを思い出しました。まぁ貝木の言葉を借りれば、この世に真実なんて存在しない・・・自分が信じたものが真実なんでしょうけど。)


平々凡々。普通。適度。
タイトル「かれんビー 其ノ漆」表示前のワンカット、原作から「適度に考え――適度に行動しろ」と貝木の言葉が引用されていました。
しかし人生はほどほどでも、たまには劇的なこともなくっちゃ、という心も捨てきれません。
そういう時のためにフィクションがあるのでしょうね。ハマるとやばいですけど。
適度ばっかりでもいけませんが、劇的ばかりもいけません。
何事もほどほど。


とはいえ、傷心のヶ原さんを慰める優しさはほどほどではいけません。これでもか、というくらいやってもらわないと(何を、とは言わない)。
しかし、暦くんは本当にひたぎさんに愛されてるなぁ。
実に微笑ましい。
ここで「リア充爆発しろ」とか思うようでは、まだまだ心が狭い証拠ですぞ?
こういうシーンに出くわしても、

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  1. 2012/02/19(日) 02:15:52|
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