『GJ部』というアニメがあります。
初めてその1話を見た時、正直な話、「なんだこのアニメ、クッソつまらんな」などと思ったのは否定できません。いや、今でも「うーん……」という思いが拭えないというのが現状です。
ところがどっこい、Twitterなんかを見てくださればわかると思うのですが、GJ部視聴中、自分はものの見事に
あ^~かわええんじゃあ~という反応しかしていません。
何もこれは自分に限った話ではなく、Twitterで実況なんかやってるとよくわかるんですが、1話放映当時は「これは足切り安定だな」という雰囲気が確実にあったはずなのです。
ところがどうです、
公式が驚愕するくらい視聴率は伸び、gdgd妖精から移ってまでGJ部を実況したりする人々は増えるばかり。
どうしてこうもGJ部に熱を上げる人が増えたのでしょうか。
もちろん、「『キルミーベイベー』に似てる」とか「クソアニメだからこそオススメする」みたいな、まぁどことなく天邪鬼な人たちの宣伝も、原因としてはあったでしょう。
しかし、ここで自分はGJ部を麻薬に準える、
「GJ部麻薬論」をぶちあげたいと思います。
なんで麻薬なのか。
みなさんは、どういう理由でGJ部を見ていますか?
キャラが可愛い以外の理由で見てる人、いますか?お世辞にも、ストーリーなんてものはあってないようなものだし、ギャグみたいな要素も見受けられません。もっと悪い言い方をすれば、「カワイイ」以外の要素はないんじゃないでしょうか(キャラクターの演技等も、「カワイイ」という要素に通じると思います)。
出歯亀根性の極致と言いますか、クラスの可愛い子をいくら眺めても飽きないような、そういう感覚でGJ部を見てはいませんか?少なくとも自分はそう感じています。
そうすると、ストーリーの起伏もなければギャグもないこのアニメで盛り上がる部分は、必然的に「カワイイ」にしかないわけです。
ぶっちゃけた話、このアニメを評価するのも評論するのも賛美するのも「カワイイ」というワードひとつで足りてしまう。
それさえわかればあとは簡単、「カワイイ」要素しかないのだから、後はその波に乗るだけで、高揚感とか酩酊感が味わえます。クラスの男子評議会で、「あの子可愛いよな!?」って賛同する奴が多ければ多いだけ、その波に乗った奴はテンションが異常に上がるみたいな、そういう感覚です(例えが微妙ですけど)。
まぁ、実際可愛いんですよ、このアニメ。キャラクターが。アニメ見てて、キャラクターのほっぺペチペチしたくなりませんか?
さて「カワイイ」要素で高揚した後ですが、どこにも冷静にGJ部を評価しようとする向きはありません。自分もしようとしたことはありません。
んで、1週間経とうとしたら、また「カワイイ」を求めてテレビの前に群がるのです。
この一瞬の高揚だけが全てで、後に何も残らない感覚、これこそ
麻薬ではないのかと思うのです。
GJ部に可愛い!面白い!とシュプレヒコールを上げている人々は、いわばヤク中の群れなわけで、そこに冷静に作品を評価しようとする人は誰もいませんし、後になってGJ部をどうして面白がっていたのかを聞いても、おそらく「可愛かったから」以外の答えが返ってくるべくもないでしょう。
そういう意味では、GJ部という麻薬の用法用量を、視聴者が把握してきたとも言えるのではないでしょうか。「カワイイ」成分にアてられて、大勢で
妄想世界でわーきゃーするのが楽しく、そして、それしかない。乗るしかない、このビッグウェーブに、ってやつですね。
まぁこのヤク中がマイノリティだったらなにも問題はなくって、アングラでなんか騒いでるやつらがいるなぁくらいで終わったと思うんですけど、いかんせんその数が多くなってきたというのがここ最近だと思います。
そうすると、「他のアニメを叩いておきながら、GJ部を異常に賞賛している奴」みたいな、どう考えても頭オカシイ人ってのが出てくるわけですね。そこに不快感を感じる人だって当然います。
普段の生活の中で、ヤク中を見かけたら、誰だって「うわぁ……」ってヒくと思います。
GJ部も同じです。「カワイイ」しかないモノをありがたがるのは、どう考えてもおかしいんですよ(まぁよくよく見れば、誰も「真剣に」GJ部を面白がってる人なんていないんですけど)。
だから、GJ部を、麻薬を、過剰に持ち上げすぎてはいけないんです。用法用量を守って、他人に迷惑をかけない範囲で嗜むのが秘訣です。やりすぎると阿片窟で摘発された清国人みたいになります。麻薬というものは一般に流通するものではなく、アンダーグラウンドで静かに流れていくものですから、あまり表で大々的に騒ぎ立てるべきではないんですよ。
ただ、GJ部という麻薬について、これにハマった人々の社会復帰は早いと思います。
今はみんなが、決まった日付、決まった時間に一斉にこのクスリをやっているから、ここまで熱狂的に膨れ上がっているだけであって、
放送後にBDやDVDを借りてきて(^p^)となる人間が果してどれほどいるのか。おそらく、みんなまた新しい作品、いや麻薬を見つけてGJ部から離れていく。そういう意味での社会復帰、ですが。
でも、本物の麻薬みたいに、全てが終わった後に「なんで俺はあんなアニメで盛り上がってたんだ…」と忌避しないでほしいのです。
GJ部はあくまで、
「カワイイ」という麻薬のようなものに過ぎません。アニメ作品なのです。
摘発されることのないように、用法用量を守って適切に、自覚的にこの麻薬を楽しむこと。
そして社会復帰の暁には、「GJ部?あぁ、そういう作品もあったね」とにこやかに語れること。
自分は、『GJ部』という作品が好きです。(了)
スポンサーサイト
テーマ:GJ部 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2013/02/28(木) 17:05:56|
- アニメ感想・考察(Ver.2.0)
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2