不定形爆発 Ver.2.0

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『憑物語』—憑かれていたか、疲れていたか

新年初更新ですが、『ゆゆ式』じゃなくて『憑物語』の話です。いえーい。


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(2015/02/04)
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言葉遊びをしたいと思います。


今回は『憑物語』というタイトルですので、まず「憑かれている」ということについて。


斧乃木余接は憑かれていました。
それは言わずもがな、彼女が付喪神だからです。決してただの可愛らしい童女ではなく、人の死体から形作られた付喪神であって、怪異です。人でなしです。
人の死体に何かが取り憑いている、と言ってもいいのかもしれません。
あるいは、手折正弦という男の美学に、こだわりに憑かれていたという面もあるでしょう。生きていない、死んだ怪異こそ美しいとする彼の美学に見初められて憑かれていた。
その美学に憑かれていたことに加えて、影縫余弦が怪異との間に立てる代理人の役割を果たしていたということも、上記の「自分は人でなしである」という意識を固めていたやもしれません。彼女は「人であるために」人の形をしているのではなく、「人といるために」こそ人の形をしているのですから。決して人になることのできない、どうしようもない隔たりがあります。

阿良々木暦は憑かれていました。
彼は鬼に憑かれています。今回の話で、阿良々木くんが吸血鬼に近づきつつあるということが示されたことで、一層「鬼に憑かれている」という事実、忍野忍と一心同体・一蓮托生・運命共同体であるという事実が強調されました。
あるいは、吸血鬼の力というものに憑かれていた、とも言えるでしょう。吸血鬼の力を使えば、およそ大抵のことは解決でき、実際解決するために何度も吸血鬼化してきたのですから。そうして解決できるという事実に、力に、彼自身溺れていた部分もあったのでしょう。それは余弦が指摘したことからも窺えることではあります。

手折正弦は憑かれていました。
余弦が言うように、美学やらこだわりというのに憑かれていたと言えるでしょう。
もうひとつ、「自分は体よくこの場にキャスティングされたのではないか」という思いに支配されていました。憑かれていました。
そして彼の中でのその事実、キャスティングされて阿良々木くんを吸血鬼に近づけることの手伝いをするなどというのは真っ平御免だと、疲れてもいました。

「疲れている」ということについて。
阿良々木暦は疲れていました。
人助けをしなくてはならないということに。もちろん、彼はそれを苦にも思ってないようですが、妹の月火に言わせるとそうではない。
背負い込みすぎると月火は指摘します。手にも背にも負えないことを、なんでも背負い込もうとする。それが自分を追い込むのではなく、追い詰めてもいる。そう指摘します。
千石撫子が蛇神になったことも、今回妹たちと神原駿河が攫われたことも、我がこととして考えようとする機会があるようです。そういう危うさ、ないし傲慢さが彼にはあるようです。余弦もそんなことを言っていましたね。
そうやって分相応を知らず、背負い込めるだけ背負い込んでいく姿勢のままでいるのなら、阿良々木暦という人間の重力は増していくばかりでしょう。さながらブラックホールのように。今回、忍野扇が彼をして「曲げることのできる人間」と言ったのは、その点正しいのかもしれません。全てを自分の方へ引き寄せ曲げるブラックホール。

斧乃木余接は疲れていました。
いや、疲れてはいなかったかもしれません。今回の話で、彼女と阿良々木くんとの間で人と人でなしの狭間の話(人を殺すとか殺さないとか、余接を交渉物として渡すか渡さないとか)はありましたが、この話で彼女が疲れている素振りなどなかったのですから。少なくとも、私の目にはそうは映りませんでした。
終盤、彼女は正弦を殺し、自らが人の領域を外れた怪異であることを顕示します。それは彼女の語るように、阿良々木君との間に埋めがたい溝を作るという扇の目的に沿ったものであったかもしれません。
しかし、最後のオチの部分になって、彼女は阿良々木家に人形としてやってきます。扇の目的が分断なら、それと真逆に阿良々木くんに接近しようと言うことでしたが、それは見方を変えれば、阿良々木くんというブラックホールに「曲げられた」という言い方もできるでしょう。背負い込まされた。穿った言い方をすれば、疲れさせられたと言ってもいいのかもしれません。それでも、あの愛くるしい童女の見た目をした怪異はそれを表に出すことはしないでしょう。いえーい、とか言ってのけるに違いありません。

阿良々木くんも斧乃木ちゃんも、何かであって何かでない、中途半端な存在になりました。
阿良々木くんは、人でもなければ怪異でもないモノに。
斧乃木ちゃんは、そんな阿良々木くんに曲げられて、怪異として離れるでもなく、愛くるしい童女でもない、人形としての居候・代理人に(斧乃木ちゃんに関してはもとよりこの代理人という位置だったというのもありますが、それでも阿良々木くんとの距離がこれまでとは別の形で迫ったのは疑うべくもないと感じます)。
立ち位置のハッキリしないブラックホールが、この先拡大していくのか否か、それはわかりませんが、この阿良々木くんを中心にした人間関係は気になるところです。

しかし、そんな曖昧な状態を全肯定してくれる戦場ヶ原というのは、阿良々木くんにとって心強い存在だと思います。このブラックホール的関係においてはどう転ぶかわかりませんが。忍は「吸血鬼になっても構わない」とか言ってましたからね。戦場ヶ原ひたぎという存在はかなり貴重です。

阿良々木くんを中心とした関係性と、忍野扇というわけのわからない存在(メタ的な存在なのでしょうか)がどういう結末を迎えるのか。
そういうワクワクに憑かれていますし、早くアニメ化してくれーと疲れてもいます。早く!

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  1. 2015/01/18(日) 01:11:47|
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