というわけで、前回の読みきりを経て、吉富先生がチャンピオンREDに戻ってきてくれました。
モツやらOPPAIやら毛やら生首やらが跋扈する秋田の
赤い核実験場に、清涼剤のような、気分を落ち着かせてくれる漫画が来たことは、天からの救いのように思えてなりません。
ジャンル的にはSFだと思うので、
エロ
グロ
ファンタジー
ロボット
SF ←New!
これが今のチャンピオンREDじゃないかと思います。
さて本題。
この漫画から感じられる「静けさ」の話。
『地球の放課後』は、<突如として世界各地に現れた謎の生命体「ファントム」。それが1年かけて人々を消し去ってから更に1年。世界には、4人の少年少女しか残っていなかった。>という世界設定の漫画で、察しの通り、
この漫画の静けさとは「人がいない」ことの静けさ。
それは街並みにも、道路にも、デパートにも人がいない画面から、自然と感じられます。
しかし、この漫画の静けさは、それだけじゃありません。
例えば、ファントムが人を消していくシーン。この人を消すシーンがすごく静的なんですよね。


(クリックで大きい画像)
人を、輪切りにしたプレパラートみたいにして(イメージ的には、『ジョジョ』5部のソルベかな)黒い塊が飲み込んでいくんですよ。別に変なビームとかは使いません。全然派手でもないです。
擬音もあっさりとしたもので、「カシッ」と「カカカカ」だけ。その擬音も小さめに書かれているという、ね。
これって、人類の終末にしては、すごく地味で、すごく静かだとは思いませんか?
それともう1つ。
時間の進み方がすごく緩い。これも静けさを感じさせる一要因なんじゃないかと思います。実際、第1話35ページ近くかけて、1日を描いているわけですからね。ゆっくりとした日常には、そんなにドタバタとしたできごとの入る余地は無いんじゃないかと。主人公たちの年齢的にも(最年少の子でも、小学生高学年くらいに見えます)。
それと、注目したいのが、主人公たちが車に乗るシーン。

効果線も、擬音も使わないほどにゆっくり動いているんですよね。すごーく静かに。
これは、時間の進み方というか、スピードの問題なわけですが、それでも静けさを感じさせるのに、非常に貢献していると思います。
漫画の技術的なことで言えば、ほとんどのセリフに「!」が無いだとか、効果線がほとんど無いとか、色々ありますが、自分では知識が浅いので、ここでは割愛。
そんな、終末を迎えたような世界の中で、いつか人が帰ってくるのを待つ主人公たち4人。
いつまたファントムが現れるか分からない。自分たち以外に、もう人はいないのかもしれない。
それでも。
「今はね・・・放課後みたいなものなんだよ。いつか朝になってみんなが戻ってきて授業が始まる・・・
きっと・・・今は地球が一息ついてるだけなんだよ」
(『地球の放課後』#1「地球の一日」より)
静かなこの世界で、みんなの帰りを待ってみよう。
- 2009/07/23(木) 05:20:39|
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