フロニャルドが天国な件。というわけで、『DOG DAYS』が最終回を迎えましたね。
『DOG DAYS』らしいというか、誰も悲しむ者のない、
素晴らしいくらいのハッピーエンドでした。そもそもあの世界で、泣いたり悲しんだりする人間がいるってことの方が信じられないですからね。ハッピーエンド以外の終わり方なんて、想像もつかないですからね。
さて、この物語を見終わって、思ったことをつらつらと。
基本的に、
フロニャルドって悪意が存在しませんよね。フロニャルドで行われている戦争は、戦興行というあくまでも
<イベント>であって、人死にが出ないという点、私たちが通常考えるような形での<戦争>では全くないわけです。勝てばうれしいし、負けたって「しょんぼりするだけ」です。それ戦争って言わなくね?ってレベル。
実際その戦興行だって、ガチでバトルという側面もあるにはありますが、むしろ
アスレチックだよね、という感覚が先行します。どこか遊びという感覚が抜けません。
戦争と言えば、陰謀だとか政争だとか絡んできそうなものですが、そんな権謀術数を張り巡らす人もいません。
そこに暮らす人々も、基本、好意をもって接してくれます。いきなりフロニャルドに紛れ込んだ勇者・シンクに対する態度を見てもそれは明らか。犬耳のないシンクに、誰も疑ってかかるような態度はありません(姫様が呼んだなら、という安心感もあるのでしょうけど)。
ビスコッティはもちろん、ガレットだってその傾向は同じです。閣下は星詠みでミルヒと勇者の死を見て、それをなんとか救おうという好意のもと動いていたわけですしね。8話あたりに、神剣を狙うガレットのならず者集団みたいなのが出てきたりもしましたが、彼らだって「報酬をたんまりはずんでもらう」ためにボコボコにして神剣を奪おうとしたわけで、
ころしてでも うばいとるみたいな感じで襲ってきたわけではないわけです。あの世界の人々の心性を考えてみると、素直に出したら、別に危害を加えないような気もするし。
ホントに悪意がない。邪気がない。唯一出てきた悪役と言えば魔物ですが、あれだって本意から魔物と化したわけではなかったですし。そもそも人じゃないし。
他にも、女の子がみんな可愛かったり、男どもは大抵気が良かったり、
ラッキースケベが多発したりと、フロニャルドってばマジ至れり尽くせり空間。自分が勇者だったら帰りたくありませんね。
国勢調査の職業欄には勇者って書いときます。そんな出来すぎとも言えるくらいのフロニャルド。しかしそこにも得体のしれないものは存在するわけで。
地獄における唯一の希望がお釈迦様の垂らした蜘蛛の糸のように、要素は反転しますが、フロニャルドにもかすかな邪悪は存在するのです。
妖刀です。本編では妖刀それ自体に意志があるようにも見えました。悪意があるかどうかは判然としませんが。しかし、妖刀っていうのに造った者がいないというのはこれいかに?それともこれがフロニャルドのシステム、自然の一環なのか。
フロニャルドにおける妖刀、そしてそれを造った者の存在(いるならですが)は本編では詳しく説明されませんでした。
こんなにおいしい要素を残しておくだなんて・・・もしかして
2期orスピンオフのフラグなのでしょうか。
まあ、妖刀という無機物を「悪」と設定することで、その対比として有機物―キャラクタやら土地神やら―そういったものに「善」の要素を与えようとしているようにも見えます。あたかもフロニャルドは、
誰も悪意を持たない天国のような空間であらねばならないかのようです。
そんな天国に迎えられる勇者・シンクは、別に世を儚んでいるわけでもなければ心が荒んでいるわけでもありません。もしそうだったなら、完全にこの話「現実逃避」を描く話になっちゃいますからね。
彼は現実世界(地球)での生活も楽しんでいるし、フロニャルドでの生活も謳歌しました。どちらもシンクにとっては等価値なものに思えます。天国にばかり依存することなく、地球での暮らしも受け入れている。
「楽しいことを数珠みたいにつないで暮らして、何が悪いんだよぉ!」と言ったのはシンジ君ですが、シンクはその対極にいるようにも感じられますね。
自分たちの生活に引き付けて考えてみれば、2次元・ネット空間―ひいては自分にとって居心地の良いばっかりに依存することなく、現実の生活―学校・会社―も受け入れている、というところでしょうか。まさに理想像、リア充。
どっちかに依存することなく、どちらも受容するという態度。誰でもネットという居心地の良い空間を創出できるこのご時世において、最も求められる態度なのかもしれません。やたらと深読みした感がなきにしもあらずですが、自分の考えは、やはりそういうところに行きつきました。
この3か月、『DOG DAYS』には楽しませてもらいました。
最初は
「エクレ可愛いよエクレブヒイイイイイ」ってな目でしか見てませんでしたが、こんな長文記事を書けるような題材だったとは、改めて驚き(失礼)。
2期があったら割と嬉しいぞ、スタッフ!頼むぞスタッフ!
ナナミを出してきたってことは期待してもいいんだよね!?あと、夏休みにデレてくれる(だろう設定の)エクレに期待してます。同人でもSSでも構いません。
エクレ可愛いよエクレぶひいいいいいい(台無し)(完)
テーマ:DOG DAYS - ジャンル:アニメ・コミック
- 2011/06/26(日) 01:50:40|
- アニメ感想・考察(Ver.2.0)
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この日々は続いていく。
出会いと別れと、再会の約束。
そうして少年の世界は広がった。
はい、ポエムで始まった今回の感想。
しかし率直に何か言葉にしようとして出てくるのこれなのだから仕方ない。...
- 2011/06/29(水) 06:57:06 |
- いぇひーおーる
悲しいお別れなんて… 絶対イヤなのであります! (ノД`)私もイヤだー。でも、このDOG DAYSは人々をションボリ させないアニメだ! と信じて最終話を見始めました。 召喚した勇者を送還するには4つの条件があり、問題は 3つ目と4つ目の条件。 ③送還される勇者はフ?...
- 2011/06/28(火) 09:43:13 |
- ゴマーズ GOMARZ
壮大なファンタジーのプロローグ、という印象。 DOG DAYS 第13話(最終回) 『シンクは本当の勇者!』 のレビューです。
- 2011/06/27(月) 18:47:28 |
- メルクマール
勇者が帰る条件が過酷でも、シンクは笑顔で帰る。
しかし、リコッタがそうはさせんとなにか企んでいるようです。
泣きながら調べ物するリコッタ。ただでさえ悲しいというときに、頑張るリコッタを応援します...
- 2011/06/27(月) 18:34:48 |
- キラシナのアニメ・ゲーム時々教育の百戦錬磨日記
EPISODE 13(最終話)「約束」
本文はメインブログ(しるばにあの日誌)にて↓
http://yasu92349.at.webry.info/201106/article_27.html
注意事項
こちらからはメインブログでTBをお送りしますが...
- 2011/06/27(月) 05:14:57 |
- しるばにあの日誌(新館)
リコは必死になって記憶をなくなさい方法を探すが間に合いませんでした。
シンクはそんなリコを慰め、ボールペンとスピーカーをプレゼント。
リコに渡したようにゆっきーにはストラップ、
ダルキアンとロランには記念コインをそれぞれ渡します。
- 2011/06/27(月) 00:17:41 |
- バカとヲタクと妄想獣
第13話『約束』DOG DAYS 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]今回は・・・いよいよ帰還ですね。
- 2011/06/26(日) 23:07:57 |
- ニコパクブログ7号館
DOG DAYS 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]今期唯一のバトルアニメも終了!
こんなに豪華な声優陣を起用するアニメもなかなかないのにw
- 2011/06/26(日) 22:27:33 |
- 明善的な見方
サブタイトル「約束」
様々な出来事と、かけがえのない出会いに彩られた、怒涛のドッグなデイズもいよいよ最終回です!
みんなと過ごした記憶さえ持ち帰れないなんて…、そんな悲しいお別れ、イヤでありま...
- 2011/06/26(日) 20:56:51 |
- つぶかぼアニメ感激ノート
【約束】
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悲しいお別れなんて絶対嫌なのであります!
- 2011/06/26(日) 19:55:52 |
- 桜詩~SAKURAUTA~
絶対に戻るから・・・
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- 2011/06/26(日) 19:51:45 |
- 日々“是”精進! ver.A
DOGDAYSの感想です。
みんなの笑顔が見れて良かったね。
- 2011/06/26(日) 18:06:28 |
- しろくろの日常
DOG DAYSですが、シンク・イズミは元の世界に戻ることになります。リコッタは記憶を残す方法が見つけられなかったと泣きますが、シンクはいろいろやってくれたことを感謝します。エクレールにも自分の物を渡しますが、形見分けみたいだと言われます。ミルヒ姫とも涙の別離...
- 2011/06/26(日) 17:12:29 |
- 一言居士!スペードのAの放埓手記
朝。
シンクはミルヒとお散歩をする。
話題は、次来ることができるであろう夏休みはいつあるのかということ。だいたい100日後だと考えるとなかなかに長い。それでも緊急の時は来てくれると言うシンクのなんと優しきことか。
でも式典はやらなきゃメッ!(`・ω・´)
- 2011/06/26(日) 15:43:59 |
- 本隆侍照久の館
奇跡は起きます。起こしてみせます。
というわけで、
「DOG DAYS」13話(最終回)
ツナグキズナの巻。
ヒャッハー!ご都合主義最高!!
ヒャッハー!後づけ設定上等!!
このバカみたいな大逆転...
- 2011/06/26(日) 14:22:02 |
- アニメ徒然草
何というご都合主義。
この作品には、悲しい結末というのは似合わないので、これでもいいかという
気はしますけどね。
OVAによる番外編とかはあるのかな。
DOG DAYS 公式サイト
DOG DAYS 1 ...
- 2011/06/26(日) 13:04:11 |
- ひえんきゃく
遂に訪れた最終回。
冒頭、ガウルとジェノワーズって明らかに事後……
お見送りの式典。
指輪の交換ですね、分ります。
「悲しいお別れなんて嫌なのであります」
涙ながらにきちんとした方法を探し続...
- 2011/06/26(日) 12:42:51 |
- 書き手の部屋
DOG DAYS 最終話。
別れと約束―――。
以下感想
- 2011/06/26(日) 11:50:59 |
- 窓から見える水平線
■DOG DAYS 第13話(最終話) 「約束」
脚本:都築真紀 絵コンテ:島津裕行 演出:中山淳史 作画監督:北村友幸、玉木慎吾 総作画監督:坂田理
最後は、誰も悲しい想いをしない、希望のあるラストだ...
- 2011/06/26(日) 11:34:40 |
- Welcome to our adolescence.
よく出来た最終回でした!(笑)
これはリコへのごほうびかな。
あれだけがんばってたんだもんね。
努力が報われてよかったですね。
勇者再召喚の条件は出来過ぎの感もありますが(笑)
これで休み毎に...
- 2011/06/26(日) 11:31:39 |
- のらりんすけっち
悲しいお別れなんて絶対嫌なのであります――。
リコは送還で記憶を無くさない方法を懸命に探す。
しかし無情にもシンクが送還される日が来てしまう…。
▼ DOG DAYS 第13話「約束」
シンクはみんなに形見(?)となるアイテムを渡してまわる。
エクレはシン...
- 2011/06/26(日) 11:16:37 |
- SERA@らくblog
Aパートで元の世界に送還される勇者。
Bパートでは元の世界で生活を送る勇者。
シンクが中一なのを今更知った俺w
- 2011/06/26(日) 10:02:00 |
- 地図曹長の時酷表
感想
シンクとミルヒの別れを描く展開です。
都築さんがやりたかった物語
最終回は都築真紀さんがやりたかった物語だったと思います。
では、どういう物語か。それは別れの物語であり、
そして別れた...
- 2011/06/26(日) 06:55:44 |
- 失われた何か
DOG DAYS EPISODE 13(終)
『約束』
≪あらすじ≫
地球に還れるが、フロニャルドで得た経験も記憶も喪い、二度とフロニャルドには戻ってこれない。その状況でもシンクは最後まで明るく振る舞う。自分も忘...
- 2011/06/26(日) 06:47:30 |
- 刹那的虹色世界
関連リンクhttp://www.dogdays.tv/EPISODE 13 約束フロニャルドでの記憶さえ元の世界へ持ち帰れない果たしてこのままシンクはここでのことを忘れてしまうのか?召喚までの時を過ごすシンク最後に見送りの儀にも参加し身に付けたパラディオンをミルヒに返すそれから自...
- 2011/06/26(日) 06:45:17 |
- まぐ風呂
悲しいお別れなんて嫌なのであります!
勇者シンクお見送りの式典。
神剣パラディオンをミルヒへ返すシンク。
リコッタは沢山の資料の中から悲しい別れをしないで済む方法を一 ...
- 2011/06/26(日) 03:28:41 |
- ♪風の~吹くまま~気の向くまま~♪
「もっとずっと、ずっとずっと、シンクと一緒に居たいです……!」
シンクがミルヒと約束をし、元の世界に帰還する話。
例えご都合主義の展開であろうとも、個人的にはAパートのシンクとミルヒが一時お別...
- 2011/06/26(日) 02:27:59 |
- 日記・・・かも
シンクが帰って来れると分かった瞬間。
ちょいと感動して、泣きそうになってしまった…。
いくらなんでも涙脆すぎ…。
- 2011/06/26(日) 01:53:49 |
- シュミとニチジョウ