『偽物語』 第5話「かれんビー 其ノ伍」 ― 提唱、「モロリ」の使い方。

正義、道義、義侠心。こいつがなけりゃ世が廻らぬ。

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阿良々木くんのモロにポロリ、略してモロリから始まる第5話、始まり方だけ見たなら「なんだドタバタラブコメディか」と思いますが、ところがどっこい、Aパートにはラブもコメディもございません。ドタバタはしたけど。


暦の回想。というか、想像。
火憐VS貝木の図。
翼の助力のおかげでついに貝木にたどりついた火憐。
部屋が白と黒の葬式カラーとものっそい不吉です。おまけに不規則に配された円の模様が、より一層不安感を煽りたてます。蝋燭で貝木の顔に下から光が当たってるのもポイント。（囲い火蜂をうつされた時は、模様が歪んでましたね、熱を持ったみたいに）
しかしこの部屋を見てると、どうにも

どっかの三面怪人を思い出すな･･･。ヒィ！

不吉な部屋で火憐と貝木の問答が始まります。
問答の詳細は省略するとして(実際に見てください)、貝木のスタンスは「金のためなら子供を騙したって恥ずかしくないし、騙しやすいくらいだ」「目標額三百万に到達するまで街から出ていく気はない」、というものでした。
考えなしで飛び込んで、ぶん殴ればそれで終いだと思っていた火憐ちゃん、貝木の滔々とした語りに段々と圧倒されていきます。

ただ、納得がいかないのは、自分の行動と貝木の金稼ぎを同列に扱われたこと。


第5話ラスト付近の火憐のセリフとも関連させて。
貝木の悪意・不安を煽り立て、人間関係を引っ掻き回して滅茶苦茶にして、縋る相手からすらも金を毟り取る。そんな行動が「善行を積んで自分の心を満たすのと、俺が悪行を積んで貯金通帳を満たすことの何が違う？」なんて言葉で、はい同じですかそーですかなんて、引き下がれようはずもない。
貝木は、善行で他人を幸せにするのも、金を浪費して資本主義経済に貢献するのも同じことだ。金が全てだと言いますが、火憐は金以外にも大事なものがあるだろ!?と言います。
劇中では「愛とか！」って言い分でしたね。（これを貝木との問答ですぐに言えなかったのは、若さ、なのかな）

火憐と月火のファイヤーシスターズのやっていることって、要は言ってみれば「義侠心」に駆られての行動ですよね。強くなくても見てみぬフリなどしない。今回はお金の話がちょくちょく出てきたので、それに関連させて言い換えるなら、無償の善意ってやつですよ。
まぁ、貝木の言い分の全部が全部間違っているってわけではないでしょう。
金は天下の回りもの。
金の巡りがよくなることは、隣人の笑顔の巡りがよくなることに通じる･･･かもしれない。
ただ、その笑顔はどうあっても金を媒介しているもので、善意とか、そういう人間特有の温かみのあるものが触媒じゃありません。
そりゃ、世の中の大枠は金によって定まっているのかもしれません。外交、政治、行政。金、金、金。
けど、人間の、最も身近に即した生活は、金だけじゃ測れない側面だってあると思うのです。
隣町の邏卒より近所の極道、とも言います。
この世に善意がなかったら、そりゃあもうギスギスした世の中ですよ。懐疑心と猜疑心で世の中という歯車が錆び付いて動かなくなってしまいます。
地縁、血縁。
善意でつながった人の善意が潤滑油として存在すればこそ、この世という歯車は今日も明日も正常に回り続けるわけで。
金だけが全てじゃない！金はほとんどだ！と火憐は言いました。
無償の善意ってやつは、その「ほとんど」に含まれない、けどこの世を回していくのに必要不可欠な小さい、温かみのあるものなのでしょう。
人間の善意。



さて、真面目に書きたいことは全部書いたので、火憐ちゃんの太もも拭き拭きについてでも･･･。(ｵｲ
しかし、あれは実に健康的ですね。鍛え上げられた肉体！フィジカルビューティ！エロスを感じない！すごい！
まぁ自分が妹持ちなので、妹キャラに反応しないってのもあるかもしれませんが。

なんて思っていた矢先、ついにやってまいりました妹とのキスタイムです。
行為は来週に先延ばしされたので目にすることはありませんでしたが、ちょっと自分の妹で想像してみました。胃から夕飯が出てきそうになりました。

でもこれも、来週にはニヤニヤしながら見られるシーンになるんだろうなァ。次元の壁って偉大だね！



ところで「モロリ」って、意外と残念な感じの響きを持っているから今度からモロにポロリだけじゃなくって、男のポロリ全般をモロリって呼んでみたらどうでしょう？
これ今年のマニフェストにしようかしら。